どうも、極限税理士 もっちです。
前回は大量退職の悲惨さを書きましたが、気落ちばかりしていられないので反撃開始です。ここからは体制を立て直すべく、これまでとは角度を変えた採用活動を展開していきます。結果、うまく行ったりいかなかったり、はたまたよく分からなかったり色々ありますが、採用活動のリアルを書いていきます。ぜひ今後の参考にしてください。
■4月の求人票テコ入れ
今まではエージェント紹介のみの採用活動を行っていました。しかし、大量退職につき危機的状況なので、今まで取引のない新規エージェントの営業の話は勿論、複数種類の求人媒体を利用することに。採用広告への掲載も、以前に実施した際に一人も採用できなかったので敬遠していましたが、少しでも採用可能性を高めるためにできることはやろうと、求人票から見直して再度掲載してみることにしました。まさに藁にもすがる思いです(笑)
求人票は10年くらい前に所長が作成したものを大きな変更なく継続使用していたようですが、これを若手スタッフに見せると課題が浮き彫りに。ブラック企業云々と騒がれるこのご時世で、「やる気」「やりがい」「意欲次第」「急成長」「挑戦」、「チャレンジ」などなどのNGワードが前面に配置されており、即転職先候補から外すとのこと(笑)改めて見ると確かに活字から発せられるプレッシャーがすごい(笑)そういえば、大きな会社の粉飾決算の件でも諸悪の根幹として「チャレンジ制度」というものがあったっけな。そういう気持ちがゼロでは困るけど、こればっかり前に出されては若い応募者に敬遠されちゃうよね。
ということで前面に出す情報を変更。ペーパーレス達成、クラウド会計導入90%以上、キャリアサポート充実、リモートワーク可、など、実際にここ数年で職場環境改善や業務効率化として力を入れて取り組んできたものに変えました。定期的な目標設定や意思確認で仕事の割り振りを調整しており、チームでの業務体制によりスケジュール管理がしやすいことなども、スタッフにとって働きやすい環境であり、求職者から見て魅力を感じてもらえるのではないかな。
■エージェントとの意思疎通
今までメールのやり取りしかやってこなかったエージェントさんと、電話でまとまった時間話す機会がありました。今まで他のエージェントさんとWEB会議をした際は「年収、リモート、フレックス、サポート」とどこも同じことしか言われず打ち合わせを断ってましたが、その方はこちらの話をよく聞いてくれて、意図を汲んだ紹介をしてもらえたので、そこのエージェント経由での書類選考通過が今回は多かったです。エージェントから候補者に対して弊所の魅力をしっかり伝えてもらえればミスマッチも減り応募も増え、弊所も採用に踏み切りやすくなり、エージェントもさらに頑張ってくれる。しっかり意思疎通ができている状態が一番良いです。
ちょっと話は変わりますが、最近はエージェント会社も人手不足なようで、担当の人はコロコロ変わるし、新しく担当になる方は新人ばっかりで、逆にこちらが色々教えてあげることが多かったなー。
■5月下旬、応募数はある程度あるという小さな希望
満を持してゴールデンウィーク明けに求人広告を掲載開始。色々リニューアルした甲斐あってか、応募者は今までと比べれば多く来たと思います。その中で書類選考を通過する人はかなり限られますが、一定数の応募があったことは精神的な安定材料でした。5月中から採用面接の予定も週2〜3件ずつ入るようになりました。
広告は主に4種類出しました。うち2つは今回新しく取り組んだ媒体です。予算配分としては2つにそれなりの費用をかけ、残りの2つは時間がなかったので最低限の体裁を整えた程度のものでした。そして、まだ原因分析できていないのですが、手をかけた媒体よりも手をかけていない媒体のほうが求める人材が来ました。なんでやー(笑)
5月は税理士事務所業界的に繁忙期ラストスパートであり、通常業務に追われるなか、選考や面接、担当クライアントの編成などに時間を使うのは厳しかったけれど、そうは言ってられません。スケジュールギチギチで何とかやってました。
■内定承諾後の反故というあるある
新卒採用の形で秋ごろに内定通知・受諾の意思確認をとった新人スタッフさん。翌年4月から入所予定で、遠方から上京してくるとのことで地理的な距離があり、入社日まで時間が空いているので、何となく危ない気はしていました。入社前でも定期的に連絡しておかないとと考えてましたが、その不安が現実に。
理由はどうやら、アルバイト先の現職士業事務所から入社オファーを受けた模様。内定承諾を受けた段階で、雇う側は受け入れ準備をするわけで、パソコンを購入したり、業務の割振りを再編成したり、色々コストがかかってきます。社会人未経験なので、そのあたりの認識が持ててなかったのかな。弊所として対抗する手段が法令上ないので、受け入れざるを得ませんでした。
対策として、今では内定承諾書に署名をもらうようにしています。これも法令上の拘束力はないのですが、意識付けにより少しでもリスク発生確率を下げられるかなと。応募が来るようになっても、それだけでは終わらない。採用活動の壁は、思ってもみないところに次々出てくるものです。
■小規模事務所特有の採用の壁(知名度・給与レンジ・業務の見えにくさ)
求職者の気になるところで、なかなか聞きづらいものとして年収待遇があげられると思います。弊所での勤続年数とモデル年収を書いてみます。本人の能力や資格取得状況等に応じて変動しますが、ざっと下記のようなイメージです。
| 勤続年数 | モデル年収 | 役職イメージ |
|---|---|---|
| 1年 | 340万円 | アシスタント |
| 3年 | 400万円 | スタッフ |
| 5年 | 470万円 | スタッフ |
| 7年 | 550万円 | シニア |
| 10年 | 640万円 | マネージャー |
| 15年 | 800万円 | シニアマネージャー |
初年度年収は、事業会社の経理職や中堅規模の税理士事務所が提示する金額と比較すると、どうしても負けてしまいます。ただ、次のメリットでカバーされてると思っています。
- 実力をつけて昇進すれば昇給する
- 最初だけ高い給与で釣って、その後上がらないといったことはありません。
- 特定の仕事に偏らず、満遍なく業務を経験できる
- 法人顧客の担当がメインですが、贈与税、相続税、所得税など他部署に取られることなく自身で経験することができます。
- リスクが高い仕事が少ない
- 失敗してもなんとかなります。命が取られるわけではありません(笑)ラクとか無責任で良いわけではないので、その辺は勘違いしないように。
- 何からも学ぶ姿勢を貫けば、いつでも独立できる
- どんなことからでも学びがあります。単調な作業からでも、それを効率化するためにどうしたらいいか、ミスが起こってしまったらどう対応したらいいか、そういうことも含めて全てが教材です。
- ある程度、自分でスケジュールをコントロールできる
- クライアントの業務を包括的に行うので、業務全体のスケジュールをコントロールできます。
■まとめ
求人票を変えれば応募は増える。これは事実でした。でも応募が増えたところで、選考を通す時間も、内定を出した後に辞退されないようにする手立ても、また別の問題として立ちはだかってくる。採用活動って、一つ壁を越えたら終わりじゃなくて、次の壁が奥から顔を出す仕組みになってるんだなと痛感した数ヶ月でした。
給与レンジで見劣りする分は、労働時間や業務の幅、独立のしやすさといった「数字に出ない条件」で勝負するしかない。今回はその見せ方を模索した段階で、正直まだ手探りです。次はこの模索の先に、実際に人が定着し始めたのか、それともまた振り出しに戻ったのか、反転編として書いていきます。お楽しみに。以上、餅でしたー。


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