年一契約は最悪です。餅が考える健全な税理士との関係

零細事務所の歩き方

■ 会計を軽視する経営者が陥る悪循環

どうも、極限税理士 餅ですー。
今回は会計を軽視することで生じる
経営の悪循環についてお伝えします。

毎月期限に追われてしまって、
お客様とやり取りしたり資料を回収するタイミングが
決算の年一回になってしまっていませんか?
溜まった処理を片付けるため他の仕事に手をつけられず
終わり次第、次の年一回決算。
他のお客様は待たせてしまい毎日お詫びの連絡。
一生懸命やってるのに感謝されない。
完全な悪循環ですよね。

今回は悪循環の原因である年一業務を
いかになくしていくか、ということを書いていきます。
皆さん、年一業務から開放されて
損しない働き方をしていきましょう。



■ 会計軽視が招く悪循環

試算表・財務諸表が読めないと、会計の重要性を実感できず
会計を軽視してしまいます。
いわゆる、どんぶり勘定というやつですね。

会計を読めなければ経営計画が立てられない。
PDCAができない。
リスクマネジメントができない。

そして何かあったときに、丸投げしている税理士のせい、
外部環境のせい、という他責思考から抜け出せない悪循環に陥ります。

はじめから会計を読める方はいませんので、
読み方を教えてあげるのですが、
コツとしては、試算表を読み上げて説明するのではなく
粗々でも、財務諸表分析指標やキャッシュフロー計算書など
“結果”を先に見せてあげることです。
「こんなことに使えるんだ」とか
「この情報は見られると良いな」と思ってもらい、
モチベーションを上げてあげます。
「会計書類は何に役立つのかわからない」
何なら「税務署に出すための書類作り」
という認識の方も多いと思います。

「先生が一番わかってる」は危険信号

顧客が
「先生が会社の数字のこと一番わかってるから」
と言ってくれる。よくありますよね。
でも、喜んではいけません。
餅は危険センサーがピーンと反応します。

例えば、融資申し込みの際、金融機関との面談で
「会社の数字は税理士が一番わかってます」
「税理士に聞いてください」
と言ってしまったら、
事業性評価を行う金融機関からの印象は最悪です。
「お前の会社だろ、返す計画立てられないやつに誰が金貸すねん」てなりますよ(笑)
なお、通常融資を受ける際には金融機関の審査があるわけで、
そこで事業説明や返済計画を見られ、
計画的な返済能力があると見込まれる方に限り
融資を受けられる形式でしたが、
数年前のパンデミック対応緊急融資の影響で
感覚としては、申し込めば審査に通る状態で
お金を借りて返すという責任感のない方へも
融資が実行されてしまっています。
調達資金を元手に収益構造の見直しを行い
事業資金と返済資金を作っていく、
そういった使い方をせずに、
ただ売上減少の補填に使うだけでの会社は
いま返済で大変苦労していますね。

少し脱線してしまいましたが、
会社の数字は会社の現状を把握し、将来の予測をし、
意思決定を行うための重要な情報源です。
いざというときの意思決定が遅れないように
経営者自身が会社の数字を一番わかっていなければなりません。



■ 他責思考の経営者との間で生じやすいトラブル

会計を軽視し他責思考になった経営者との間では
こんなトラブルが生じやすいです。

・役員重任登記の漏れ
・事前確定届出給与の支給忘れ
・社会保険関係手続きの漏れ
・倒産防止共済の前納手続き忘れ
・報酬料金等源泉所得税の納付忘れ

これらは大抵、
「なんで教えてくれなかったんですか」
と文句を言われます。
でも答えは明確です。

自分でちゃんと管理してください。

自分で管理できないなら
社内の誰かにお願いするか、
有料で外部に委託するか、やめるかです。
責任持てないならサラリーマンに戻ってください(←ここまでは言いません。笑)

税理士事務所がタダでやってくれると
思わせないよう、
関与開始時に契約書プラス口頭で
しっかり線引きしておく必要があります。

とはいえ、親切心として、時期が近づいたら教えてあげるわけですが、
責任は会社にあるということをわかっておいてもらうということです。



■ 中間申告の納税漏れ

なお、中間申告の納税漏れについても発生率が高くなっています。
これは税務署の対応が変わったことによるもので、
経営者側だけの問題ではありません。
国税のなかでも税目によって扱いが違いますし、国税と地方税の間でも取り扱いが異なり、
正直、これは早期に改善してもらわないと困りますね。
申告納税制度という自己申告制をとっているのであれば
それをやりやすい環境を整えるために
国と地方公共団体が連携して統一的に取り組むべきと思います。

そんな状況で、お客様独自での対応は難しいと思いますので
税理士側でサポートしてあげる必要があります。

ただ、自分の会社の納税時期くらいは毎年同じなのですから
会社側で管理するべきですね。
毎月および納期の特例の源泉税と特別徴収住民税、中間申告の納税、確定申告の納税、固定資産税。
どれも毎年同じ期限です。
これらの期限を把握してないなら、資金繰管理どうしてるんだ?と思いますね。




■ 健全な税理士との関係とは

会計を軽視していると
月に1回の打ち合わせの機会をもらえない場合が多い。
接触回数が減ると顧客に対する解像度が荒くなり、
良い助言ができないばかりか判断ミスが起きやすくなります。

その上、税務顧問料という毎月固定の報酬をいただく関係で
「何もしてもらってないのにお金払ってる」
と思われてしまう。

実際には何もしていないわけではないのに
顧客からは見えない。
結果、報酬が低い顧客ほど顧客が不満を貯めてしまい、
かつ失敗リスクが高く割に合わないという最悪の結果になります。

毎月、顧客が作成した試算表の誤りを是正し、
経営について一緒にお話しして、満足していただく。
コミュニケーションを重ねて信頼関係を築いていく。
業務量やリスク量に応じて適正価格をいただく。
無駄な工数をかけない。
これが健全な関係です。

年一(ねんいち:年に一度決算の時だけ処理すること)なんて言葉、誰が作ったのでしょう。

最悪ですねー。



■ おわりに

会計は経営の羅針盤です。
軽視すれば経営の方向を見失い、
誰かのせいにしながら漂流することになります。

餅が目指しているのは、経営者が自分の数字を自分で読み、
自分で判断できるようになること。
そのサポートをするのが税理士の本来の仕事だと、
ズボラな餅でも信念を持ってます。

次回は、零細税理士事務所での
月次から決算までの業務の流れを

餅版でお伝えします。

この記事と合わせて読むとより参考になります。

試算表を読み上げるだけの税理士はダメです【月次業務編】

決算は怖くない。月次をしっかりやっていれば【決算・申告編】

お楽しみに。

以上、極限税理士 餅でしたー。

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